【『Le tombeau resplendissant –輝ける墓-』(1931) ecrit par O.Messiaen】

先日お話させて頂きました『Un sourire –微笑み-』(1989)は最晩年の作品でしたが、
この『Le tombeau resplendissant –輝ける墓-』(1931)は
メシアン23歳と、初期の力漲る頃に書かれた作品でしょう。
と言いますのも、この前年(1930)に書かれた
『Les offerandes oubliees –忘れられた捧げ物-』(オーケストラによる)は、
約6年後に結成される事となる「Jeune France(若きフランス)〈*註〉」の
第一回目に当たる演奏会(1936年6月3日)で初演されています。
(こちらの作品は、3部形式における「A」と「B」、「A´」の関係性が逆転しており、
「形式A」に閑静な楽想が在り、「B」に躍動感を持ってきています。)
「Jeune France」においてメシアンが試みた事は、「表現の為の新しい手段の探求」
であった事から、この頃は、[何がしかの初期の語法を脱却すべく模索した時期]
だったのかも知れません。(* 私見ですが。)

『Le tombeau resplendissant -輝ける墓-』の楽曲構造は、大まかな3部形式でしょう。
(「A」+「B (a+b)」+「A´」+「Coda」)
「M.T.L旋法」などにより、うねる様に躍動する「形式A」の後、
テンポを一気に落とし鎮静化した「形式B」が訪れます。
(この「B」の部分は、尚二つに細分化できそうです。)
更に「A´」の再現があり、その後に「Coda」と続きますが、
何かこの「Coda」は、『Diptyque –二枚折絵-』(1930)後半部分の終結部の
面影を感じます。(『Diptyque』も作曲年は1930年ですし。)

オーケストラによるこうした躍動感溢れる作品は、非常に盛観です。
個人的には、何か大きな仕事に取り掛かる前に鑑賞しますと、
活力が湧いてくるようで、こちらの作品も非常に好きです。

赤坂樹里亜

(註:「Jeune France (若きフランス)」とは、
作曲家イヴ・ボードリエを発起人とする4人組の作曲家グループ。
メシアンとボードリエのの他に、アンドレ・ジョリヴェ、
ダニエル=ルジュールがメンバーとなる。)

Le 27 juin 2013 14h51

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