【メシアン作曲《アッシジの聖フランチェスコ》 (1975-83) - メシアン自身作によるテクスト部分の在る個所の解明】

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 一時期、体調不良にて全講座を半年完全休業されていたリーゼンフーバー師も、2017年3月の「復活祭」を機に、御復帰なさって、私は有り難く毎土曜日に行われる「土曜アカデミー(哲学史)」に通っています。
そこで、12月9日には「アッシジのフランチェスコ」と「ボナヴェントゥラ」を扱った内容となりました。
 そこで思わぬ発見がありました。その一連は、以下です。
メシアン作のオペラ《アッシジの聖フランチェスコ》(1975-83)は、先日、日本に於いて初の全曲演奏会を、カンブルラン指揮、読響演奏にて大盛況のうちに終えた事が記憶に新しいですが、以前から私はこのオペラのメシアン作による仏語台本を
訳していて、非常に独特な言い回しに、日本語訳をどう書けばよいのか、どの様な背景を扱った内容なのか、ある部分に着眼していました。
 それが以下です。
「Loue sois-tu, mon Seigneur, pour frere Vent, pour l’air et les nuages, le ciel pur, le ciel temps!
Loue sois-tu, Seigneur !」(第一幕2景フランチェスコのセリフより)
 第一節目には「主よ、讃えられます様に、兄弟の風よ…」とあります。
そこで何に着目したかと言いますと、「兄弟の風」と、自然を人間の兄弟姉妹とみなした表現が多々出てきます。
独特な言い回しで、てっきり自然を愛したメシアンの愛情表現の由縁かと思っていました。
 しかし12月9日のリーゼンフーバー師の「アッシジのフランチェスコ」の講義を拝聴し、フランチェスコによる「太陽の歌」という有名なポエムが在る事を知りました。
そこにまさしく「上記の文言」が在ったのですね。(写真3)
つまり、メシアンは聖人である「アッシジのフランチェスコ」を「オペラの中に」描く際に、この「太陽の歌」を台本に引用していた事が解りました。
 私の中では、一つ謎が解けて、非常に高揚した心持ちです。
こうして数年前には解らなかった事でも、或る時、ふと疑問が氷解する時があります。
そういう瞬間が、私は大好きで、メシアン研究をやめられないですね。(*^^*)
 また、昨日の講義で拝聴した、ボナヴェントゥラとトマス・アクィナスとの主張の差異を探ってゆく事も、大変興味深いのです。
これは私自身の在学している大学でも、哲学の配本が始まり次第、じっくりと学んでゆきたく思います。
 昨日12月9日は非常に良い発見を頂き、リーゼンフーバー師に感謝しております。
待降節第二主日、皆様が御多幸の内に日々を生きられます様に。

Julia.T.A
le 10 dec. 2017 13h56