【O.Messiaen 『二枚折絵』と『時の終わりの為の四重奏曲』その関連性】

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Messiaen『Diptyque-二枚折絵-』の弦楽五重奏編曲を一通り終わらせ想う処は、
やはり『Quatuor pour la Fin du Temps-時の終わりの為の四重奏曲-』との
或る大きな関連性です。
今日はそれについて書きたく思います。

『二枚折絵』は、もう何度もお話しましたように、或る「対照的な事象」を
二枚の絵になぞらえて二部作(Diptyque)とした初期のオルガン作品です。
《第一部》 「この世に生きる者の試練」を描いたc mollの16分音符によるうねりと、
階梯導入、クライマックスには両外声による大きなカノンが形作られる
荘厳な第一部。
最後には保続音上の「ドイツの六」の第一転回で半終止を打つ。
《第二部》 「(天国の)永遠の至福」を、前者とは対照的に安息と安らぎに満ちた
楽想によって、オルガンの響きの中に描き、第一部のc mollの冒頭のテーマを
C durに転旋させて「永遠の至福」を謳い、静かに曲を閉じる。

この中に『時の終わりの為の四重奏曲』との関連が実は在るのですね。
『時の終わりの~』は全8曲から成るVn、Cl、Vc、Pfという変則的な編成による
四重奏曲です。
何故そのような編成をとったのかと言いますと、大きな理由が在ります。
それは第2次世界大戦中にMessiaenはドイツ軍の捕虜となり、
極寒のゲルリッツの収容所に幽閉された背景に寄ります。
(この作品は、極寒の収容所内で初演をむかえます。)
同収容所に、同じく捕虜となっていた音楽家が数名いました。
それは「ヴァイオリニスト」、「クラリネット奏者」そして「チェリスト」です。
MessiaenはPfを弾き、その4人の奏者で初演する事を想定して、
この変則的な編成で書き進めました。
(1940年Messiaen32歳の頃です。)

ここで大きく着目したい点が在ります。
それは終曲の第8曲目『Louange a l’Immortalite de Jesus
– イエスの不滅性への賛歌-』です。
ここではVnとPfによる二重奏が静かに奏でられます。
このVn主題は何だったでしょうか。
そうです、これこそが『二枚折絵』の第二部「(天国の)永遠の至福」の
C durのテーマがE durに移調されてそのままVnで奏でられるのです。
収容所内で捕虜生活を送りながら書かれたこの作品が
(『二枚折絵の』)『(天国の)永遠の至福』=『イエスの不滅性への賛歌』
で幕を下ろすというこの作品の構成を追ってゆくと、
やはりMessiaen自身が常に「平和と至福」とを旨とし、1930年(22歳)に書いた
「永遠の至福」のテーマをこよなく愛していたのでしょう。

私もこの初期オルガン作品『Diptyque-二枚折絵-』を弦楽五重奏曲に
編曲し終わり、ゲルリッツの収容所内でのMessiaen氏に想いを馳せますと、
氏は「永遠の至福」を、『時の終わりの為の四重奏曲』の最終曲のVnに
託したのですね。
その「平和に対する強い想い」を、こちら側も強く受取らずにはいられないように
思います。

私は「メシアン自身の平和に対する不滅性への賛歌」を強く享受したく思います。

赤坂樹里亜

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