【『Oraison-祈祷-』(1937) pour Onde Martenot と 『Quatuor pour la fin du temps-時の終わりの為の四重奏曲-』 (1941)との関連】

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オンド・マルトノという電子楽器による『Oraison –祈祷-』(1937)です。
この音源を聴いた途端に、即思い当たる事柄が在りました。
それは、『時の終わりの為の四重奏曲』 (1941)
「No.5 イエスの永遠性への賛歌」のVc.旋律と同一であるという点です。
(註:No.5は、Vc.とPfによるデュエット )
『時の終わりの為の四重奏曲』には、実は他にも自作品からの旋律の再使用が見られます。
「No.8 イエスの不滅性への賛歌」(Vn.とPfによるデュエット)のVn.旋律です。
こちらは、オルガン曲『二枚折絵』後半部分のC dur部分の旋律を
E durに移調して使用されているお話は、以前書かせて頂きました通りです。
(註:わたくしのFacebook ノート2012年8月22日【O.Messiaen 『二枚折絵』と『時の終わりの為の四重奏曲』その関連性】をご参照いただければ幸いです。)
また、「旋律の引用が行われている」この2曲(No.5及びNo.8)は、
何れも「イエスへの賛歌」という表題を共有しています。
全8曲にて「黙示録」的な性格(「時の終わりを告げる天使」と
「最後の審判」を象徴する表題)を持つ各々8曲中、この「再編曲」の2曲は
「対になった穏やかな楽想」をたたえている事から、
(調性的、且つ緩徐楽章であるという点でも)こうした部分には
「神の永遠の愛と慈しみ」を表出するのに、最もこの2曲からの抽出が
相応しいとメシアンは考えたのかも知れません。

この作品の創作背景は以下です、
第2次世界大戦中にドイツ軍の捕虜となったメシアンは、
ゲルリッツにある「第8A捕虜収容所」に捕虜として幽閉され、
この極寒の収容所にて『時の終わりの為の四重奏曲』(全8曲)を
書き上げます。
この収容所には「Cl奏者.」、「Vn奏者」、「Vc.奏者」の三人が同じく幽閉されており、
このメンバーが「変則的な四重奏」の編成を決定づける要因となります。
(メシアンはPf.を担当。)
そして零下何十度にもなるこの極寒の地で迎えた初演は、捕虜たちから絶賛を得ました。
楽器の状態も劣悪で、Pf.やVcの弦も切れていたりしたとも云われていますが、
そんな中でも、精神的自由を奪われている捕虜たちに、絶大な生きる希望を与えたのでしょう。

その『時の終わりの為の四重奏曲 第5番』の原曲となっているのが、
この『Oraison』のようです。
暫し、その”Oraison(祈祷)”に無心に耳を澄ませてみるのは、
良い心の浄化へと繋がりそうです。

Julia.A
(Le 29 mai 2013)